マンションのリビングの片隅に。使わなくなれば元の部屋に戻せる。価格を公表している会社の実例とあわせて、「建てない」やり方を紹介します。
茶室は「建てる」ものだと思われがちですが、掲載19社を見ていくと、そうでない選び方が確かにあります。工場でつくった部材を現地で組み立てる「組立式」と、床に置くだけの「置き型」です。
この2つが解くのは、たいてい同じ悩みです。加藤美建(静岡・伊東市)は置き茶室のページを「茶室を建てたいが 予算と場所が心配で あきらめている」という一文から始めています。土地がない、予算が読めない、家をいじれない——この3つが、茶室づくりのいちばん多い足止めです。
【価格が先に見える】 一点ものの数寄屋普請は、見積もりが出るまで総額が分かりません。組立式はそこが違います。ミリエーム(京都)は公式サイトで価格を公表しており、四畳半茶室が4,180,000円(税込/運搬費は別途)、二畳茶室が3,300,000円です。上限を決めてから相談したい人には、この透明さが効きます。
【もっと小さく始める】 洗心庵(東京)の「Tea room Zero」は公式サイトで250,000円。そのままオンラインで購入できる形になっています。数百万円か、二十数万円か——茶室と呼ばれるものの幅は、思っているより広いのです。
【今ある部屋に置く】 加藤美建の置き茶室は自由設計で、床だけの茶室、床置きタイプ、屋根付きタイプ、床上げタイプ、さらに沓石・差石を取り入れて炉が切れるタイプまで用意されています。公式サイトによれば「マンション住まいの方はリビングの片隅に、子育て後の空き部屋に入れる事も」でき、「使わなくなれば簡単に元の部屋に戻す事も可能」。レンタルも受け付けているとのことです。
【炉をどうするか】 置き型・ユニット型でいちばん気になるのが炉でしょう。飛騨フォレスト(岐阜・下呂市)は茶道用の小上がりについて、「既製品では茶道の作法が守られている商品が無かったり、床暖房があり床に炉を組み込む事ができないケース」に応えるものだと説明しています。炉壇は「電気ですが、炭火が使える炉壇も可能」とのこと。同社にはシンガポールの客からの茶道用小上がりの注文や、東京都杉並区からのユニット茶室の注文の記録があります。
【向き・不向き】 組立式・置き型が向くのは、予算の上限を先に決めたい人、賃貸やマンションで建物をいじれない人、まず稽古の場が欲しい人です。逆に、にじり口の枠の納まりや、土壁と柱の取り合いといった一点ものの手わざを求めるなら、本格数寄屋の工務店に相談するほうが確実です。
どちらが上ということではありません。「何年、何人で、どう使うか」で決まります。まずは価格帯とタイプで会社を絞り込んで、実物の写真と価格を見比べてみてください。
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