夕顔亭
特別名勝・兼六園の発祥の地とされる蓮池庭に建つ数寄屋で、加賀藩11代藩主・前田治脩が安永3年(1774年)に建てた。茶室・控之間・水屋・給仕の間(勝手)の4室からなり、小さな宝形茅葺の屋根を二つ入り違いに並べた姿が美しい。
茶室は3畳台目に相伴畳が付く古田織部好みで、藪内家の燕庵と同じ系統だが、床前に板を入れて席を広げ、縁をめぐらして壁を少なくするなど、はるかに開放的なつくり。滝を眺める茶屋として工夫された、大名庭園らしい茶室である。
はじめは「瀧見の御亭」「中島の茶屋」と呼ばれ、控之間の床の袖壁に夕顔(瓢唐草)の透かしがあることから「瓢庵」とも呼ばれ、やがて「夕顔亭」となった。蓮池庭にあった4つの御亭のうち現存するのはこれだけで、一時は料亭の一部に使われたが、昭和44・45年に文化庁の指導のもと半解体修理され当初の姿に戻された。平成元年(1989年)に石川県指定文化財となった。
写真Gallery
伯牙断琴の手水鉢The Hakuga Dankin water basin
夕顔亭の縁先には、琴の名手・伯牙が、自分の音を一番わかってくれた友を亡くして二度と琴を弾かないと誓った故事を浮き彫りにした手水鉢があります。高さ45cm・直径85cmの大きなもので、5代藩主に招かれた京都の金工・後藤程乗の作とされます。
兼六園の案内では、夕顔亭は小間ながら本格的な茶の湯が催せるつくりで、名は茶室の壁の夕顔の透彫りから付いたと紹介されています。
対岸の翠滝と海石塔Midori Falls and the Kaiseki Pagoda opposite
夕顔亭の対岸には、霞ヶ池から瓢池へ落ちる翠滝(高さ6.6m・幅1.6m)がかかり、水量が多く音も大きい滝です。夕顔亭がもとは「瀧見の御亭」と呼ばれたのはこの眺めによります。
瓢池の中島には、穴のあいた笠石を六重に重ねた高さ4.1mの海石塔が立ちます。3代藩主利常が金沢城の庭の十三重の石塔の一部を移したという説と、加藤清正が持ち帰り秀吉が前田利家に贈ったという説があります。
この茶室を体験するにはVisit & use
兼六園に入園すれば、蓮池庭で外観を眺められます。茶室内部の公開や貸出の案内は公式サイトでは確認できませんでした。
拝観案内Information
| 所在地 | 石川県金沢市兼六町1-1(兼六園 蓮池庭) |
|---|---|
| 公開時間 | 兼六園 3月1日〜10月15日 7時〜18時(最終入園17時30分)/10月16日〜2月末日 8時〜17時(最終入園16時30分) |
| 料金 | 兼六園入園料 大人320円、小人(6〜18歳未満)100円、65歳以上無料 |
| アクセス | JR金沢駅からバス12分「兼六園下・金沢城」下車、徒歩5分 |
数寄屋の技術を持つ工務店・設計事務所を、施工例とあわせて比べられます。






